NINE-TO-FIVE ライナーノーツ③ (Koyotaka編)
みなさんいかがお過ごしですか?
Prictniumのウインドシンセサイザー(木管/金管)担当のKoyotaka Sambown です。
今回アルバムから、メンバーのリレー形式で書いているセルフライナーノーツ企画。
3つ目の記事は、わたくしKoyotakaが、担当でございます。
2人のライナーノーツをまだお読みでない方は、下記リンクからどうぞ。
Koyotaka が作曲した曲について
今回のアルバムで、わたし Koyotaka が作曲から編曲まで担当したのは1曲。アルバムの冒頭曲、「In A Cloudless Morning」です。
ということで、今回は「In A Cloudless Morning」についてご紹介します。
それから、実はメンバー作の曲の中に、私の書いたコード進行を使ってもらったものがあります。共同作曲とでも呼んだらよいでしょうか。
最近はあまり聞かなくなりましたが、複数人で1曲を仕上げることを「コーライティング」とか言ったりしますね。実は、そんなことを、わたくしども Prictnium は2012年の結成当時からやってたりするわけです。
なので、次回ライナーノーツ④では、そんな共同作曲っぽいことをした「AM2」と「Mul 2 Waterfront」の2曲のお話をご紹介したいと思います。
なお、本記事には、コード進行を掲載したり、若干、音楽的な深堀りした内容が含まれております。コード進行とかあまり詳しくない方にはごめんなさい、です。なので「ふ〜ん、こんな感じなのね〜」と軽く流し読んでいただくことをおすすめします。
雲ひとつない朝に聴きたい。
ということで、この曲「In A Cloudless Morning」。和名「雲ひとつない朝に」です。
アルバム1曲目として、試聴は前半の60秒をお聞きいただけます。
この曲のタイトル「In A Cloudless Morning」は、実は、曲ができたあとに決めたものです。
本作アルバムのジャケットの、エメラルドグリーンの空と黄色い建物の写真を見たときに、ふと思いついたフレーズです。
この写真、雲ひとつ無いでしょ?
爽やかな曲調が朝にぴったり。
朝の通勤通学とかに聞くと気分がよくなるかなぁ、とか思っています。
あ、いや…、できれば、都心の満員の通勤電車を連想させない、休日の爽やかな気分の朝に、聴きたいですね。「よ〜し、休日楽しむぞ!」って具合に。
曲調や構成について。
曲調自体は、今回のアルバムの企画段階で「フュージョンのアルバムを作るぞ!」と決まったときになんとなく構想があったもの。
要は「こりゃ〜爽やかフュージョン曲を1つは作らないとだめでしょ〜」と、思って作った1曲です。
T-Square や CASIOPEA を意識しているのは言わなくてもバレそうです。
この曲、特に聴いていただきたいのは、この曲の中で4人のメンバーの楽器、シンセ、サックス、ドラム、ベースに、それぞれ見せ場的な場面があるトコロ。
イントロはドラムから。ベースラインが駆け出して、シンセがテーマを担います。サックスが途中からユニゾン&ハモリで入ります。
と、各楽器が、徐々に、順番に集まってきて、曲を構成してゆくイメージです。
テーマのあとは、ベースソロ。そのあとは、決めリズムの後ろで暴れるドラムソロ。さらにそのあとはサックスとシンセのソロ合戦。
こんなふうにそれぞれソロを取る、見せ場がやってきます。
文章で書くと、味気ないですが、曲を聞きながら、それぞれの楽器が代わる代わる聞こえる雰囲気を楽しんで頂ければと思っています。
以降はコードとか読める人向けに。
さて、以降はちょっとコアな話。
私が曲を作るときは、大抵、コード進行から作ります。
この曲の爽やかな要素は、やはりシンプルなコード進行から感じさせたいと思って考えました。そして、ミディアムテンポで120bpmくらいにしています。
ただ、それだけだと、ありきたりな平べったい曲になってしまい、フュージョンらしさが感じられないのです。
そこで、susコードや、たまにスパイスとなる半音進行の出番です。これらを織り交ぜつつ、ふわっとした浮遊感を出してゆきます。
曲の構成は、[A][A][B][A][B][C]で、こんな感じ。曲を聞きながら追いかけてみると、雰囲気が変わるのも捉えやすいかと思います。
サビっぽい部分が[B]ですね。スパイスとして浮遊感に貢献しているのが[C]の部分。
個人的には、この[C]のような半音進行は、よく使います。
好きなんですよね、この調性から外れてゆく感じ。そして、順次下降または順次上昇してスピード感が出る音の流れもいいですね。
ということで後半は「ライナーノーツというか、解析だなこりゃ」という内容になってしましました。
この曲をフルで聞けないと、何を言っているのかさっぱりだと思いますので、お手元にない方は、お手に取っていただいたあとに、この記事をまた読んでみてくださいね。
最後に。
ということで、今回のアルバム「NINE-TO-FIVE」は、フュージョン色を色濃く出した1枚と相成っております。
特に、テンション上げたいときに、お楽しみいただければ幸いです。
詳細はこちらのディスコグラフィーからどうぞ。オンライン販売も承っております。
さて、次回は、コード進行を使ってもらった「AM2」と「Mul 2 Waterfront」について、ご紹介したいと思います。